3/13(月)春雷

園長より|2023年03月13日 14時10分

朝方、夢の中で雷の激しい音が聞こえてきました。

春雷を聞くと決まって、以前国語の教科書に取り上げられていた教材「春先の雹(ひょう)」を思い出します。作者は、杉みき子さんです。

突然の雹に驚く子らに、母が戦争中の雹にまつわる思い出を話し始めます。

氷が無くて困っていたとき、病気のお年寄りのため、雹を集めたこと。けれど、夢中で集めたため、ある人が大切に育てていたキュウリ畑を踏み荒らしひどく怒らせてしまったこと。

その後、畑の主が叱りすぎたと、取れたキュウリをもって謝りに来てくれたこと。

その人との出会いが、今につながることをなんとなくわかるように伝える母の話に、心がじわっと温かくなります。

物語の最後のほうで、「だから、父さんはキュウリが好きなんだ」と話を聞いていた子がつぶやきます。

子らと共に読んでいた教材ですが、もうずいぶん昔なので細かなところはちょっと自信がありませんが、おおよそこんな感じです。

高学年の教材でしたが、何人かは「???」だったように思います。「春雷」から、懐かしい昔の教材を思い出しました。

立春から立夏のころまでに発生する雷を春雷と言います。寒冷前線の通過に伴って発生するらしく、雹を伴うことがあります。冬眠していた虫たちが驚いて目覚めることから「虫出しの雷」ともいわれるそうです。

《フォア文庫 童心社》

因みに、杉みき子さんは、「わらぐつの中の神様」の方が有名かもしれませんね。よく似た展開のお話です。