8/12(金)夏が来た!おすすめ絵本(13)
東北地方、青森県・秋田県では、今大雨に見舞われ大変な被害が出ています。
自然の猛威に人はなすすべもなく、自らの身を守ることさえ危うくなります。
昔話のような絵本ですが、心にずしんと重く残った記憶があります。
「ひさの星」を紹介します。
《斎藤隆介/作 岩崎ちひろ/絵 岩崎書店》
むかし、秋田の北のはずれ、かづのというところに、ひさというおなごわらしがおってなあ。
このひさは、なんにもしゃべらん、むくちなおなごわらしであった・・・
ハイハイしていたぼっこを、大きな黒犬からまもって、けがをしても、だまったまま。
自分からは何にも言わないそんな静かなおなごわらしのひさ。
夏の大雨の後、蛍を取りに行った政吉を川から救ったあと、ひさの姿は・・・
切なくて、なんとも言葉にできない思いが溢れるお話です。
ちひろさんの、はかない色合いの絵も「ひさ」にぴったりです。
野村先生おすすめの一冊。
斎藤隆介さんの作品は、ちょっと考える絵本です。
年長さんにぴったりかもしれませんね。
「モチモチの木」は、小学校国語の教科書教材でもよくとりあげられていました。
ほかにも「花さき山」「半日村」「ベロ出しチョンマ」もおすすめです。
滝平二郎さんの版画の挿絵も印象的です。